濁りの属性

現在のキャッシング業界はどういう状況なのかを追いかけます。
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社会的属性と審査

サラ金業界の激しい変動にガラガラポンも一段落しそうなので、
数年前と今とで状況がどのように変化しているのかを見てみましょう。

今回取り上げる雑誌は、



見るからに怪しげな表紙の裏モノJAPANです。
自称「体験ベースの欲望追求エンタテインメントマガジン」ですが、
それはさておきこの2005年7月号のサラ金特集記事
現在に当てはまるのかを確認しようと思います。

そこそこの分量があるので今回はごくごく一部、
「社会的属性」の記事だけを抜粋します。


<社会的属性>

【職業】
サラ金には歴然とした職業の貴賎がある。ヒエラルキーの頂点に位置するのは公務員だ。「全国6千社のサラ金に、公務員が来店して喜ばない会社は1社もない」と断言してもいい。公務員には、給料・ボーナスの遅延やカットがなく退職金もガッポリ。業績不振によるリストラもない。また、世間体を気にする人が多いため、支払日には遅れないし、自己破産する人も少ない。それに続くのが、一部上場企業の事務職で、次が同営業職。営業職には歩合給が多く、収入の上下を嫌うサラ金は事務職を上位に位置付ける。ワースト3は水商売、土建業、タクシー運転手。決して差別などではなく、風俗勤務やガテン系は過去に貸し倒れ率が高かったというデータに基づいているだけだ。また、どの職種であれ、転職回数は少なければ少ないほど、勤続年数は長ければ長いほど、年収は多ければ多いほど社会的属性は高くなる。

【健康保険】
社会保険組合や会社の保険組合が発行し、保険料は給料から天引きされる社会保険証。一方、国民保険証は20才以上なら役所に行けば誰でも作れる。当然、社会保険証所持者の方が、社会的属性が高い。社保なら他社借り入れが3件あっても楽勝で50万円を借りられるが、国保で同条件なら20万が関の山だ。

【家族構成】
借金を内緒にすべき家族が多いほど、貸し倒れ率は低くなり、社会的属性は高くなる。配偶者の有無でいえば、「既婚>未婚>離婚」の順となる(離婚経験者のほうが事故率が高い)。したがって「既婚者。両親2人子供2人と同居」ならば内緒にしたい人が5人もいるので貸し倒れ率は低いと判断され、逆に「離婚後、独身一人暮らし」となれば社会的属性は低い。ただ家族の人間が多ければいいというわけではなく、「子供が6人いる」なんてのはマイナス要因でしかない。サラ金では「貧乏人の子だくさん」が定説だ。

【自宅】
持ち家>借家なのは当然。持ち家でも「住宅ローン無し」の方が有利なのは言うまでもない。借家の場合「賃貸住宅」よりも「市営住宅」のほうが社会的属性が低い。市営住宅は低所得者の入居が多いため、貸し倒れ率が高いのだ。居住年数は長ければ長いほど、転居回数は少なければ少ないほど良い。

【申込書の大半がウソでもバレない】
自分の属性が低いからといって悲観する必要はない。サラ金がウラを取る項目は、「在籍確認(自宅・勤務先・携帯)」「他社での借り入れ件数」の2点のみだ。「勤続年数」「転職回数」「居住年数」「転居回数」といった項目は確認しようがないし、「年収」「結婚歴」「家族構成」「自宅」も、所得証明書、戸籍謄本、土地建物謄本によってウラが取れるはずだが、所得証明書や戸籍謄本は客の承諾が必要、土地建物謄本は1枚1千円もかかる。サラ金にそんな手間をかける余裕はない。要するに、客は嘘を書きまくっても一向に構わない。「年収200万、離婚経験あり、賃貸住宅」を「年収500万、妻と同居、持ち家」にしたところでバレる心配はないのだ。そして一番効果があるのは「保険証」のウソ。社会保険と国民保険の貸し倒れ率の差はかなり大きい。身分証明書が運転免許証だけの場合、「保険証は社会保険です」と口頭で言うだけで限度額は間違いなく上がる。さほど保険証種別が審査に与える影響は大きいのだ。ちなみに、サラ金の申込み用紙には「記入したことに相違ありません」という一文があるが、この種の詐称で告訴された例は聞いたことがない。心配無用だ。《2005年7月号》



7年前の雑誌ですが、
今では当てはまらない箇所が多いですよね。
「これは7年前の時点でも当てはまらないだろう」
という記事内容も盛りだくさんですが、
そこは「エンタテインメントマガジン」なので
笑ってすませましょう。

しかし総量規制とその周辺法規の威力を
痛感させられる変化ともいえます。
次も何かがありそうで楽しみでもあります。
社会的属性 : Edit
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虚構の果てに

再びサラ金冬の時代が訪れようとしている現代、
消費者金融業界に対して
いくつか重要なことが問われています。

消費者金融の市場規模は1990年に2.9兆円、
それが2005年末になると11.7兆円と、
約四倍に膨れあがっています。

泡沫の時代が終焉を迎え、
失われた云々言われた時期にあっては
借金をする人が増えて当然だ、
そう捉えることも可能でしょう。

しかし、これほど巨大な市場が
本当に存在しているのかどうか。
見せかけの市場ではないのか。
もっと言うなら、安易に借りやすい環境を構築して
不要な借入に結びつけているのではないか。
どうしてもこの市場規模を
そのまま鵜呑みにすることができません。

無論、借りやすい環境というのは
サラ金業者の経営努力の賜でもあります。
一度目のサラ金冬の時代、
業界丸ごとなぎ倒されてしまうのではないか、
そんな錯覚すら起こす苦況にあって
ここまで再興してきた努力を否定するわけにはいきません。

しかし、世間の関心が
グレーゾーン金利の撤廃ばかりに集まり、
他の論点が蔑ろにされている今、
敢えてこの点をサラ金の現代事情を
読み解く軸にしたいと思います。
どうぞ末永く宜しくお願い致します。
偽りの市場規模 : Edit
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